11月25日に、名古屋モーターショーに行ってきたのでその時の様子を紹介したいと思います。
基本的に私は国産車好きなので、国内メーカーを中心に紹介します。
まずはスズキのブースにやってきました。個人的に一番気になったコンセプトカーがこちら「XBEE(クロスビー)コンセプト」です。気になった理由は私の愛車がスズキのクロスオーバー軽自動車「ハスラー」だからです。
以前から、いずれ「ハスラー」の普通車版が登場するのではないか、という話はありましたが、それを形にしたコンセプトカーです。
「XBEE」はステージ上に配された車の他、実際に中に入れる車も展示されていました。中に入ってみると、まさにハスラーを普通車サイズに大型化したような印象を受けました。
思い起こせば、モーターショーで「ハスラーコンセプト」が発表されてから4年。
この時は「市販間近」というフレコミで出展されていた「ハスラー」が、実際にショーから短期間で発売されましたが、「XBEE」も同じ境遇を辿るのか注目です。
スズキのステージ上にはもう2台の車があり、うち1台が「e SURVIVOR(イーサバイバー)コンセプト」です。
スズキが誇る本格派オフロード軽自動車「ジムニー」のDNAを継承しつつ、昨今話題の電気自動車と融合させたコンセプトカーです。
オフロード向け軽自動車の現行車種が「ジムニー」だけになっている現在。そういう意味でもスズキらしいコンセプトカーだと思います。
もう1台は「スペーシアコンセプト」です。
次期「スペーシア」のコンセプトとしての出展です。
ちなみに東武鉄道は関係ありません。
続いては、スズキのライバルとも言えるダイハツのブースへ。
まずは「DN TREC(トレック)」「DN MULTISIX(マルチシックス)」という2台のコンセプトカーがステージに展示されていました。
「キャストアクティバ」が登場するまで、SUV系の車とはちょっと距離を置いていた感のあるダイハツですが、近年のSUVブームもあり、ダイハツが今後どのようなラインナップを見せてくれるのか注目させるコンセプトカーです。
こちらは「DN コンパーノ」というコンセプトカーです。
1963年に同社から発売された「コンパーノ」のデザイン思想を継承した車ということだそうです。
着想の元となった「コンパーノ ベルリーナ」も並べて展示されていました。
さらに、扉を大きく開け放てるコンセプトカー「DNプロカーゴ」(上)「DNユースペース」というコンセプトカーもステージ上に出展されていました。
乗り降りのしやすさや荷物の積み下ろしのしやすさなどを追及しており、前回出展された「ノリオリコンセプト」の設計思想もうかがえます。
特に「DNプロカーゴ」は電動リフトの付いた形で出展されており、荷物の積み下ろしだけでなく、車いすや寝台なども乗せることが想定され、介護・医療現場への応用も期待されるモデルです。
こちらはホンダのブース。どことなく昭和の雰囲気を漂わせるコンセプトカーが目を引きます。
しかしこの車、ナリはともかく(失礼)中身は未来を見据えた作りとなっており、EV(電気自動車)の採用やAIの搭載など、新技術をふんだんに取り込む構えを見せています。
コンセプトカーの名前は左が「アーバンEVコンセプト」で普段使いを意識した車、右が「スポーツEVコンセプト」で趣味性やスポーツ走行を意識した車となっています。
そういえば、現行車種でも「N-one」やなんかはちょっと懐かしいような可愛らしいようなデザインを採用していて、そういう意味では近年のホンダらしさを感じるコンセプトカーです。
ホンダブースにはバイクの世界選手権「Moto GP」とフォーミュラーカーレース「インディ」のレースカーも展示されていました。
日産自動車のブースです。既に現行車種で電気自動車を発売するなど、国産メーカーの電気自動車関連では頭一つ抜きんでてる感のある日産自動車は、やはり電気自動車技術を中心とした展示です。
こちらは現行車種「リーフ」にスポーツブランド「ニスモ」のカスタムを施した「リーフニスモコンセプト」です。
日産が誇る電気自動車技術と、レースで培った技術の融合を図った車です。
余談ですが以前、これとは別にレース仕様にした「リーフ」を、鉄道ファンレーサーとして有名な松田次男選手がドライブした様子がテレビ番組で紹介され、「電車を運転しているようだ」と評していたことがあります。さらに「嬉しかった」とも。
ちょっと思い出した話です。
そしてこちらは「IMx」コンセプトです。
未来へ向けた技術をふんだんに盛り込んだコンセプトカーで、電気自動車の特性を生かしたパワフルな走りや、自動運転技術なども盛り込まれています。
運転する楽しさと、自動運転技術の発展の両立という課題に挑んでいる感があります。
こちらは現行車種の展示より、「ノート e-POWER」。
ガソリンエンジンを搭載したハイブリッドカーですが、エンジンは発電に徹し、駆動は電気モーターで行うという方式(シリース・ハイブリッド)を国産市販車で真っ先に採用しています。
私は鉄道ファンなので鉄道に絡めて言わせていただくと、ディーゼル機関車の一部で採用されている「電気式ディーゼル」をガソリン乗用車向けにしたような技術です。
なんだかんだで電気自動車技術が発展途上な現在において、他の車では無い方式を採用した日産の「e-POWER」。
これもこれで、磨きあげたら面白い事になりそうな技術な気がします。
三菱自動車のブースです。
ステージ上には、大型SUVの電気自動車「e-EVOLUTIONコンセプト」が展示してありました。
三菱自動車も、軽自動車「i」をベースにした電気自動車(軽自動車)「i-MiEV(アイミーブ)」を発売するなど、電気自動車関連で積極的な動きを見せたメーカーです。
さらに、「パジェロ」に代表されるようなクロカン・SUVを展開しているのも特徴なので、そう言った点からも三菱らしいコンセプトを詰め込んだ一台と言えそうです。
さらに、来春発売予定だという「エクリプスクロス」というSUVも展示されていました。
クロカン・SUVなど「アクティブな車」が中心の展示で、三菱の持ち味を感じました。
こちらはマツダのブースです。
近年は独特のデザインをした車をラインナップさせているマツダですが、今回はその流れを汲む「魁(カイ)コンセプト」を回転台のあるステージに乗せて展示していました。
この展示内容からは見て取れないのですが、実はこの車には最近開発に成功した、圧着点火方式のガソリンエンジンが搭載されています。
デザインや技術面でどこか他社と一線を画すマツダの要素を凝縮したような一大だと思います。
スバルのブースには、「VIZIV PERFORMANCE(ヴィジヴ・パフォーマンス)コンセプト」という車が展示されていました。
スバルのお家芸とも言える水平対向エンジン、4輪駆動、運転支援装置「アイサイト」を盛り込んだ一台で、走る楽しさと安全を両立した車作りを目指す姿勢が表れていると思います。
そしてこちらがトヨタのブースにあるステージ。地元と言うこととあってか、他のメーカーより大きくブースの場所が取られています。
今年のトヨタは「愛」をキーワードに、人工知能を搭載することでドライバーの好みなどを理解する車作りを目指すコンセプトカーが展示されていました。
写真上が「コンセプト愛i RIDE」、下が「コンセプト愛i」という車です。
ところで、「コンセプト愛i」のサイドにあるこの模様、どっかの百貨店の紙袋にありませんでしたっけ……?
何かそんな記憶が。
少々話題がそれましたが、トヨタブースのステージにはこんなものも。
こちらは歩行者用モビリティ「コンセプト愛i WALK」というもので、言ってみれば10年ちょっと前に話題になった「セグウェイ」みたいな感じの乗り物です。
「セグウェイ」と異なる点としては、「セグウェイ」が重心移動で速度制御を行うのに対し「愛i WALK」は手元のハンドルで操作、「セグウェイ」が左右2輪であるのに対し「愛i WALK」は3輪でより安定性がある構造であることが挙げられます。
念のため言っときますがスティック掃除機ではありません(某自動車番組ネタ)。
先述のとおり、トヨタブースは展示が盛りだくさん。
こちらはルマン24時間レースなどを戦う世界耐久レース(WEC)のマシンや、ハイブリッドスポーツのコンセプトカー「GR HV スポーツコンセプト」をはじめとするレース・スポーツ系の車の展示です。
モータースポーツもトヨタが注力しているジャンルの一つです。
そしてこちらはSUVのコンセプトカー「TJクルーザー」です。
トヨタにはランクルこと「ランドクルーザー」に代表されるようなSUV・クロカン車のラインナップもあり、レースやスポーツとはまた違った角度からワクワクさせてくれます。
展示会場を移動します。
今年の名古屋モーターショーでは「はたらく車」の展示ブースもありました。
まずは人気の高い緊急自動車をご紹介。
上から順に救急車(トヨタハイメディック)、JAFレッカー車(トヨタのダイナかトヨエーストラック)、名古屋高速のハイウェイパトロールカー(三菱パジェロ)です。
緊急自動車はやはり子供たちにも大人気で、記念撮影している親子の姿も見かけました。
国土交通省所属の災害復旧支援車両の展示もありました。
上の写真の車は「照明車」で、災害復旧工事を夜間など暗い時間帯に行う際に現場を照らします。
下の写真の車は「対策本部車」で、災害現場の近くに対策本部を展開し、迅速な情報収集や指揮を行うために使われます。
地震や大雨、台風など、なにかと災害に見舞われることのある日本では、備えておくべき車と言えるでしょう。
「はたらく車」展示の中でも一番の目玉がこちら。岐阜バスの連接バス(メルセデスベンツ「CITARO<シターロ>-G」)です。
岐阜バスでは2011年よりこの連接バスを導入し、東海地方では唯一連接バスを運行しているバス会社です。
連接部が折れ曲がった状態で展示されており、その長さや構造が強調されていました。
こちらは輸入車展示場より、ランボルギーニ。
スーパーカーと言われるだけあって、見た目も性能も、そして値段も桁はずれでした。
これ買う値段で一戸建ての家買える……。
輸入車ブースの中で楽しかったのはジープ・ラングラーですね。車内に入れました。
ゴツい見た目で「これぞジープ、オフロード車」と言わんばかりの雰囲気です。
内装の方は結構現代的な感じにまとめられてはいましたが、要所要所に「ゴツさ」を演出していました。
私は結構SUVやクロカンが好きなようです。ハスラー持ってるし。
終わってみると、輸入車の方はあまり写真を撮って無かったなぁ、と少し後悔。
こんな感じで、2年ぶりのモーターショーでした。
今年のモーターショーはEVをはじめとする未来へ向けた環境技術、人工知能やコンピュータ技術を発展させた制御技術などがキーポイントになっていた一方、昨今のSUVブームの影響や、これからも「楽しさ」のある車を作っていきたいという展望も垣間見えた気がします。